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2009年09月21日

クラゲから新ムチン

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みなさま

先月 22 日(土)仁科会館で
「第 18 回理化学研究所里庄セミナー」を受講してきました。
講演はふたつあり、ひとつめは丑田(うしだ)公規先生の
『クラゲからとれたムチンの奥深い世界』、
もうひとつは、平井優美(まさみ)先生の
『野菜の健康機能成分を作る遺伝子を発見!』でした。

丑田先生は、物理学科出身だそうです。
へぇーっ?と思ったので、今回はクラゲについて書いてみます。

去年の主役はオワンクラゲでしたが、今回の主役はエチゼンクラゲ。
定置網を埋め尽くした暗紅色の大群のエチゼンクラゲの
映像を見た時には、さすがにひいてしまいました。
クラゲの傘の大きさは、 2 メートル近くもあるそうです。
これでは漁になりませんから、非常に困ったことなのです。

ですが、丑田先生はこのクラゲからクニウムチン(Qniumuchin)
という新ムチンを発見されました。
ムチンというのは、粘液の主成分である糖たんぱく質のことです。
皮膚を保護・保湿したり、また胃の内壁を消化液から
守ったりしています。遺伝子はわかっていますが、
現在ムチンを作ることはむずかしいとか。
クニウムチンというのは、古事記の冒頭の語句「国生む」
から拝借したそうです。おもしろいですね。

エチゼンクラゲから取り出したクニウムチンは
純度が高く、構造が確定していてシンプルで
ヒトムチンに大変よく似ているため、
ヒアルロン酸と併用した変形性関節症の治療などへの
期待が高まっていると話されました。

その日は、ちょうど世界陸上ベルリン大会の真っ最中でした。
男子4×100メートルは、決勝に進出しました。
日本チームは、アンダーハンドパスという方法で、安定感があり、
より確実にバトンを渡していきます。

素粒子物理実験の分野では、常に次の世代へと着実に
知識や技術が継承されていることを折にふれて感じます。

これからは、クニウムチンも ILC も、科学から産業界、
産業界から社会への確実なアンダーハンドパスが必要ですね。

天満ふさこより

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2009年09月13日

Re:ロシア・スタイル

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みなさま

ご無沙汰していました。
ロシアで夕食会に招待された山本さんの話を
楽しく読みました。

客を運ぶために頼んだ 20 人乗りの代わりに
「大は小を兼ねる」とばかりに
80 人乗りの大型バスをまわしてきたバス会社!
こういう話大好きです。

僕は Dubna (ロシア モスクワ州)での国際会議に
行ったことがありますが、
いろいろな対応が状況にマッチしていない様子が
強く印象に残りました。
これは 80 年代末のことでした。
今では大幅に改善されていることを疑いません。
残っているのは、上のバスのようなほほえましい(?)
ことだけでしょう。

夕食会を通じての研究者間のつきあいは
アメリカでもヨーロッパでも実に多いですね。
他国の人たちと一緒に仕事をするのが当たり前、
という時代ですから
そういう付き合いも、うまくこなすどころか
楽しむことが必要になります。

振返ってみると、僕はこういう場が好きになれないどころか
大嫌いだったんです。
僕の英会話は初歩のレベルでしたし、雑学にも弱く、
会話を楽しむことができませんでした。
それに小心なので話し相手に調子を合わそうとして、
ぐったりしてしまいます。(信じないかもしれませんが、今でもそうです)

体力も問題でした。
深夜遅くまで飲食した上、たった数時間寝るだけでは
翌朝は起き上がるのさえつらい状態でした。
欧米人のツヨーイ体力に感心したものでした。

山本さんや高橋さんは大丈夫と見受けます。
古い人の愚痴みたいになってしまいました。

岩田正義より

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2009年09月03日

ロシア・スタイル

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皆様

モスクワ国立大学での会議で
BELLE 実験の講演をしてきました。

ロモノゾフ会議という 18 世紀のロシアの科学者の
名前を冠した物理学会議で、
隔年で催され、今年で 14 回目。
一週間続くにもかかわらず、
途中の日の夜到着して、次の日に講演をし、
その次の朝には帰国という慌ただしい旅程でした。

それでも、講演の日の夕方には
主催の教授の自宅でのプライベートな夕食会に招待され
よい思い出となりました。

招待客は 12 人ほどで
日本人一人、フランス人一人、
残りがロシア人とイタリア人が半々くらいでしたか。
ほとんどが主催の教授の旧友とその身内ばかりです。
そんな夕食会に招待されたのには少々驚きました。

僕の講演のスケジュールは、
何度か変更する必要があったのですが、
講演の冒頭で会議の世話人の柔軟な対応に関して
丁寧に感謝したのが功を奏したのかもしれません。

家は森の中のれんが造り二階建ての豪邸で、
ロシアも豊かになったものだと感心しました。
大学からは車で 30 分ほどのところにあり、
家の近くは舗装されていない森の小道が続きます。

大学からはバスを貸し切って行ったのですが、
なんとそれが 80 人乗りくらいの大型バス。
注文したのは 20 人乗りだったので
バス会社に文句を言ったところ、
「 80 人乗りなら 20 人乗れるだろう、何が問題か」
と言ったとか。
なにかしらロシア的です。

ともかくこの大型バスに 10 人くらい乗り込んで
森の小道は、ゆっくり左右に揺られ
木の枝を折り倒しながら
目的地までたどり着きました。

夕食会ではイタリア人に囲まれ、
左は法律学研究員、右は素粒子実験の教授。
ともに女性で、
まわりの皆がイタリア語でわいわい話しているときに
機会を見つけては英語で割って入ります。
するとしばらくは、皆が英語で話してくれます。

会も中盤に入ってのってくると、
ロシア民謡のカチューシャや
イタリア民謡のサンタルチア等の大合唱。
僕もなんとか歌おうとしましたが
本場にはとてもかないません。

8 時半に始まった夕食会は午前 1 時過ぎまで続きました。
みなさんワインとウオッカのちゃんぽんをたっぷりいただき、
次の日は遠足の日だったから良かったようなものの、
これもロシア・スタイルなのかも知れません。

山本 均より

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