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2009年02月28日

バレエと物理学の共通性

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岩田先生、「あひる足」はバレエの基本動作ではありません。
あれは、綺麗じゃない。(苦笑)

私が、ダンサーの中で最も美しいと思うのは、
クラシックバレエのダンサーです。
立っているだけで、美しい。

もう 14 年も前の事ですが、
パリオペラ座バレエ団とバレエ学校の合同公演が
NHKホールでありました。
日本で初めて「デフィレ」という演目をするというので観に行きました。

「デフィレ」というのは、バレエ学校に入学したばかりの生徒から
オペラ座トップのエトワール(フランス語で星という意味)までが
順番に舞台の奥から前面に歩いて出てきて、
左右に分かれていく、ただそれだけなんです。
バレエダンサーなのに、まったく踊らない。
ですが、立つ、歩くという動作にも
バレエのエッセンスが凝縮されていて、その輝きといったら!!!

彼らは幼いころから、歴史あるパリ・オペラ座バレエの
世界ナンバーワンといわれる組織のシステムの中で、
徹底的に鍛えられ磨かれていきます。
激しい競争の中で培ってきた、自信と誇り、
そして「現在(いま)を生きる」という緊張感が
彼らに圧倒的な美しさと気品を与えているのです。

彼らにはクラシックバレエという基礎がありますから
応用が効きます。
ですから、コンテンポラリーダンス(現代舞踊)を踊っても
またフォークダンス、宮廷舞踊やジャズダンスを踊っても素晴らしい。

世界中のさまざまな振付家の作品を見事に踊り、
逆に触発し、作品に新たな生命を吹き込んでいきます。
そしてその作品を終えると、再びニュートラルな身体に戻る。

物理屋往復書簡をしていると、ときどき、
どうしてバレエ好きな私が、全く異なる「物理」に興味を持つのか
と訊かれることがあります。

物理学は、自然科学の中でも特に基礎的な学問ですよね。
他の自然科学である化学や生物学や地球科学、
それから工学などのすべての基礎になっています。

クラシックバレエはダンスの基礎、物理は自然科学の基礎。
基礎というのは、土台でもありますから
いしずえの部分がしっかりしていないと、
その上に建物を築くことはできません。

基礎をしっかり学んでおくと、応用することも発展させることもできます。
ですから私にとっては、クラシックバレエを習うことも、
物理を学ぶことも、同じ大切なことなんです。

天満ふさこより

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2009年02月21日

Re:シンプルなものは美しい

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みなさま

バレエについての天満さんの書簡、
非常におもしろく読ませていただきました。

特に、正しいレッスンを受け続けると、
「骨格や筋肉が本来在るべきところにおさまるようになる」
「エネルギーがすっきり流れるようになる」
「身体の中心線ができてボディーが安定する」
なんていう表現に、何となく感嘆して納得してしまいました。
身体の軸ができれば、決してブレなくなりますよね。
誰かさんに読ませたくなります。

わかりにくいことがひとつあります。
バレエの基本動作のひとつに、ペタペタと歩く
「あひる足?」がありますよね。
昔から、これはバレエの流れるような動きと調和しないなー、
と思っていました。
この点をいつか教えてください。

ところで、バレエで「軸を持ってバランスを保つ」ことの重要性は、
僕にはもっと下世話な例でよくわかります。
日常生活の敵、腰の故障を抱えているからです。
若いときは予防のため、高齢になったらそれ以上悪化させないため、
身体の軸と、前後左右のバランスがとても大事なのです。

僕はちょっと前に、
ひとつのボストンバッグにすべてを突っ込んで、
という海外旅行のやり方を、自慢げに紹介しましたよね。

実は、これは腰にとってはあまりよくない面があるんです。
結構軽いとは言え、右か左に重さが偏ってしまうからです。
昔のように追分荷物にできるといいですね。
あれは合理的です。
もっと現代的なのはリュックサックでしょう。

山本さんには KEK でよく会いましたが、
リュックを背負っていた坊ちゃんというイメージが強く残っています。
まさか、あの若さで腰が…?

1 月までの数ヶ月、腰が不調で元気が出ず、
自治会活動もかなりさぼってしまいました。

岩田正義より

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2009年02月14日

シンプルなものは美しい

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みなさま

クラシックバレエが好きで、20 年以上レッスンを受けたり、
観続けていると見えてくるものがあります。
バレエというのは非常によくできたエネルギーシステムだ
と感じています。

バレエの基本は、身体をアン・ドゥオールといって
身体を外に開き、螺旋状に引き上げることから始まります。
それから、バアレッスン。一番ポジション、プリエから
ゆっくりと身体を整えていくのは、
バレエを始めたばかりの小さな子も、
プロのダンサーも、世界中どこの国でも同じでしょう。

それを来る日も来る日も飽きることなく続けるんです。
そうして、正しいレッスンを受け続けることにより、
身体が柔軟で強靭になっていきます。

その結果、骨格や筋肉が、
本来在るべきところにおさまるようになります。
すると不思議なことにエネルギーがすっきり流れるようになるんです。

そして自分の身体に中心感覚が備わってきます。
目には見えませんが、身体の「芯棒」とも呼ぶべき、
中心線ができてくるんですね。中心ができあがると、
幹があって枝葉があるように、ボディーが安定するので
手足はより自由になり、優美でしなやかな線を描けるようになります。

身体の鍛錬によって余分な動きやモノを削ぎ落としていくこと、
これがバレエにおける「洗練」です。
ただ、そのための身体をつくり上げるのに、
15 年から 20 年かかると言われていますけれど。

最初は私も、派手なジャンプや目にもとまらぬ回転、
超柔軟技に心を奪われました。
会場を拍手でわかせるような華やかなバレエが大好きでした。
ただ、こういう超美技は、筋肉や骨や関節に過重な負担をかけるため
残念ながらダンサーとしての生命は短いのです。

高いところから、片足で着地をしたり、
骨格や筋肉の働きを無視したアクロバティックな形でも平気なように、
神様は人間の身体をお創りにならなかったようにみえます。

私は、バレエの真髄は「コントロール」「調和」「バランス」だと
感じています。
逆に言えば、均衡を失っているということは、
どこかに歪みを生じているからですし、
不調和とは、何かが衝突しているということに他なりません。

物質が不安定から安定に向かうように、
エネルギーが無駄なく滞りなく流れている状態
・・・シンプルなものは、美しいんです。
そしてそれを制御するのは、人間なんです。

天満ふさこより

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2009年02月09日

出張を楽にするには

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皆様

高橋さんの「出張を楽にするには」のお話を読んでいて
思わず「そうそう」と微笑んでしまいました。

確かにスマートフォンは便利です。
たぶん僕も高橋さんと同じ種類のを持っているのでは。
ただ、それが発売されたときすぐには飛びつかず、
バグがある程度なくなるまで待ちました。

今では、絵文字も使え、
GPSも実際に使えるようになりました。
先日北京の高エネルギー研究所でGPSを使ってみたら、
どの建物にいるかまでぴったり表示されたのには
驚きました。

実は昨年まで手帳を使っていて、
ぱらぱらとページをめくれるあの手軽さは
とても電子手帳にはあり得ないと思っていましたが、
スマートフォンにとって代わられてしまいました。
2009 年の手帳は買ったものの
使わずじまいです。

鞄に関しては
とにかくブリーフケースの様な物を一つ持って、
どこにでもひっさげていく。
パスポート、電子辞書、計算機、銀行通帳、レーザー・ポインター、
印鑑、欧米用電源アダプター、イアフォンなど、
日々の大学でも、国内海外の出張でも、
一通り全部ついて回ります。
海外出張だからといって、
別の鞄に詰め替えたりしません。

そこにあるはずの物がそこにあると言うのは
大変な安心なんですね。

山本均より

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2009年02月04日

Travel light

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みなさま

高橋さんの、いつの間にか旅行かばんを
たくさん持つようになっていた、
という話はおかしかったですね。
身につまされます。

僕が現役だった頃、特に後半でしたが、
国際会議や委員会のための海外旅行では、
“Travel light ” をモットーとしました。
荷物をできるだけ少なく軽くして、腰を守るためでした。

布製の軽いボストンバッグひとつに、すべてを詰め込みます。
本はペーパーバックス 1 冊だけ。パソコンなし。
下着や靴下は、ホテルの浴室で洗って干します。
晩酌用の飲み物と食べ物はすべて現地調達。
もらった会議資料は、
本当に重要なもの以外はせっせと捨てます。

季節によらず、背広の類を着ていくことが必要です。
ポケットをハンドバッグ代わりに使うのです。

つまり、わが身と機内持ち込み荷物ひとつとが
すべてとなります。
搭乗までの手続きが簡単です。
到着地で荷物を待つ必要がありません。
(当時は、灰皿のある所にまっしぐらに走っていきました)。
身軽にバスやタクシーを利用できます。
ホテルでボーイにまとわりつかれることがありません。

こういう理由で、
僕には 2 つのボストンバッグだけが残りました。
今だったらキャスター付きでしょうね。
でもね、機内に 10 時間以上も座っているなんて、
考えただけで腰が痛みます
若いみなさん、腰を大事にしてください。

岩田正義より

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