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2008年10月18日

小林・益川理論の誕生

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皆様

2001 年の春、知り合いの理論家に招かれて
京都大学の基礎物理学研究所に短期滞在しました。

当時僕は物質・反物質対称性の破れに関する実験に
フルタイムで携わっていました。
その実験は小林・益川理論なくしてはあり得なかったものです。
その益川先生がすぐそこにいらっしゃるので、
お部屋にお邪魔して
小林・益川理論の誕生の裏話 を伺うことにしました。

たしか、
「クォークが 3 つしか見つかっていないときに
6 つのクォークを提案すると言うのは
随分大胆なように思いますが?」
と切り出したように覚えています。

1970 年頃、小林先生と益川先生は
物質・反物質対称性の破れを説明する理論を探していました。
当時は素粒子の標準理論はまだ赤ん坊の状態で、
いろんな提案のどれが正しくどれが間違っているのか、
混沌としていて、
いろんな可能性がありました。

ともかく標準理論の根幹となる部分を信じ、
4 つのクォークを仮定して
物質・反物質対称性の破れを説明しようとしました。

仕事のパターンは、
益川先生がいろんな理論的アイデアを出し、
小林先生が豊富な実験知識と理解力で
次々とそれらのアイデアをつぶしていったそうです。
そしてついに、
全ての可能性をつぶしてしまった。

落胆した益川さんは
お風呂につかりながら諦め気分で、
「4 つのクォークでは物質・反物質対称性の破れは起こらない
という論文にするしかないか。」
と考えていたそうです。
そして湯船から立ち上がったとき
「まてよ、6 つのクォークなら起こると提案しよう。」
と思いついた。

小林・益川論文では物質・反物質対称性の破れの理論として
いくつかの可能性を挙げたあと、確かに
6 クォーク理論を最も自然な理論として提案しています。

山本均より

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