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2008年09月15日

リサ・ランドールの話

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天満様

天満さんの質問に答えて、
Lisa Randall ( リサ・ランドール )の話をしましょう。

Lisa と初めて話したのは
1990 年頃、僕がシカゴ大学の高等研究員として
物質反物質対称性の破れの実験をしていた頃です。

Lisa はハーバード・ジュニア・フェローという研究員で、
僕の実験に関連した理論計算をしていました。

ある国際会議のセッションのあと、
関係者が数人集まってその理論計算の誤差について
議論したことがあります。

僕はその議論の主導権をとっていた訳ではありませんでしたが、
ある粒子の崩壊で出てくる電子の偏極に関し
少しばかりコメントをしました。
すると Lisa が
「 これは、Hitoshi の言っている事が正しい。 」
とはっきり言ったのを覚えています。

話の雰囲気に惑わされず、科学的真実を
重んずることができる人間だなと思いました。

その後の経験からも、
学者としての Lisa について言えるのは、
彼女が確固たる科学的倫理観を持っているという事実です。

例えば、ハーバード大学の近くのカフェで
僕が教えていた「 場の量子論 」の講義について
Lisa と話していた時のことです。

ある粒子の崩壊の計算で
正確にいうと間違った反応形式を使ったのですが、
それについて僕が
「 実質的には全く同じだからいいか。 」
というと Lisa は
「 正直に認めなよ。 」
と言って、一笑にふされました。

学期はもう終わってしまっていたので、
生徒に「 訂正 」を示すことはできませんでしたが。

また、別の機会に
あの Weinberg との議論の内容も話したのですが、
「 Steven ( Weinberg ) は自分の非を認めるべきだ。 」
とスパッと言ってくれました。

山本均より

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