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2008年07月03日

僕が会ったノーベル賞学者たち:Steven Weinberg II

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皆様

ハーバードでは 5 年間ほど
“Relativistic Quantum Mechanics” ( 相対論的量子力学 )
という大学院の講義を受け持っていました。
最初生徒数は 3 ~ 4 人でしたが、
5年間のうちに 20 人を超えるまでになりました。

で、講義録を本にしてほしいという要望が生徒や研究者からあり、
場の量子論の教科書を書くことになりました。
( ほぼ完成しました、もう少しです。 )

教科書を書くうえで非常に参考になったのが
Weinberg の“The Quantum Theory of Fields Vol. 1,2”Cambridge Press
( 場の量子論 )でした。
でも、一つ腑に落ちない事がありました。

ちょっと難しい話になって恐縮ですが、
粒子の場というのは、
いろんな運動量をもった粒子と反粒子を
生成したり消滅したりする演算子の寄せ集めで出来ています。

さて、この粒子の場に、
粒子と反粒子を入れ替える演算“C”を施してやると、
一般には、いろんな運動量をもった粒子と反粒子が
バラバラの位相で粒子-反粒子反転をするんですね。

それが、いろんな粒子の間の反応を考えてやって、
その反応が“C”を施してやっても
まったく変化しないと要求してやると、
このいろんな位相がきれいにそろう。

ところが、Weinberg の教科書では
そこがどうも短絡的になっているので、
僕が何か見落としているのかと思い、
直接 Weinberg にメールで聞きました。
それが、計 10 通くらいのやり取りになり、
興味がある他の理論家が CC してくれと頼み、
公開討論、と言うと大げさですが、
そんなものに発展しました。

結局、Weinberg の教科書では、
「 ある特定の反応を仮定するのは暗黙のうちの了解である。 」
という感じで、かなりうやむやに終わりました。
その後、ある講演会で Weinberg に会ったとき、
「 あの、問題、はっきり判りました。 」と言うと、
「 そうか、良かった、良かった。 」
と返ってきました。

興味のある方は、僕の教科書 8 章
http://www.awa.tohoku.ac.jp/~yhitoshi/particleweb/partic3.html
と比べてみてください。

山本均より

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