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2008年06月30日

僕が会ったノーベル賞学者たち:Steven Weinburg I

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皆様

さて、ハーバード でのノーベル賞素粒子論物理学者といえば
Steven Weinberg Sheldon Glashow ですね。
弱い相互作用と電磁相互作用を統一し
現在「 標準理論 」と呼ばれているものの基礎を作りました。

僕が ハーバード にいたのは
助教授と准教授として1991年から 8 年間。
その間、Sheldon Glashow が教授として、ずっといました。
Steven Weinberg はテキサス大学オースティン校に
移ってしまっていましたが、
ハーバード客員教授として部屋も持っていて、
ときどき現れていました。

連中は理論、僕は実験で、建物も違いましたが、
理論で判らないことがあると
よく向こうに出向いて、連中を煩わせていました。

あるとき、Weinberg がたまたま来ていて、
お昼時に Weinberg と Glashow と 僕とあと 1 ~ 2 人で
ファカルティー・クラブ( Faculty Club ) に
行こうということになりました。
ファカルティー・クラブ は大学のレストランで
日本の大学のものとは比べ物にならないくらい高級です。

ネオ・クラシックな建物で
壁にいかめしい油絵がそこら中にかかっている部屋で
三ツ星クラスの料理が出ます。
となりが北米で唯一の Le Corbusier の建築と言われる
カーペンター視覚芸術センターというのも面白い。

そこでランチを食べながら
ポスト・モダーンとはなにかとか、議論しているうちに
宇宙の話になり、超対称性の話になりました。

で、「 超対称性理論を信じますか 」と聞いたのですが、
その答えをいまもはっきり覚えています。
「 自己矛盾のない理論は実在する 」
と言ったんですね。
で、どういう意味か問いただすと、
「 実際に自然を説明するかどうかは別にして実在する 」
と答えました。

さすがは理論家だなあと思いましたね。
自己矛盾のある理論は理論として成り立たない。
そして、自己矛盾のない理論を造るのは実に大変な事で、
理論家はそれに毎日四苦八苦する。

で、ともかく自己矛盾のない理論ができれば、それで万々歳。
理論は自立することになる。
だから、たとえその理論が、標準理論を超える理論にならなくても
宇宙のどこかにその理論が説明する
現象が存在するはずだと考えているようでした。

実は、Weinberg とは、その後一悶着あるのですが、
それは次回に…。

山本均より

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