物理学者と素粒子好きのみなさんとの、ILC(リニアコライダー)にまつわる対話集。
好奇心のおもむくまま話はいろいろなことろに、飛んでいきます! はてさて、素粒子物理研究の一端をここで垣間見る見ることはできるのでしょうか?
▼はじめのごあいさつ
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広島大学准教授。スタンフォード線形加速器センターへて、広島大学へ。リニアコライダーでは「レーザーと電子ビーム」をキーワードに光子光子衝突や偏極陽電子源の開発を行っている。小学校のときは剣道場へ通い、中学・高校ではサッカー部だった。今でも週2回のスポーツジム通いは欠かさない。
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バレエ評論家。第4回・5回日本ダンス評論賞入賞。好きなものはバレエと猫。著書に『「星座」になった人 芥川龍之介次男・多加志の青春』(新潮社)がある。
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高エネルギー物理学実験を楽しんできたが、1年半前に KEKを定年退職して現在は名誉教授に。05年には木原元央氏と共著にて『リニアコライダー 素粒子の謎に挑む最強の加速器』(技術経済研究所)を刊行。
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カリフォルニア工科大学大学院に留学し、スタンフォード線形加速器センター、フェルミ研究所等で素粒子実験に携わる。ハーバード大学准教授、ハワイ大学教授を経て現在東北大学教授。ILCの物理と実験に関する国際組織のアジア代表を務めている。趣味は茶道、ピアノ、インラインスケートなど。
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2008年05月31日
皆様
ノボシビルスクに居ます。
心配していたモスクワでの乗り継ぎも、スムースにできました。
総勢 5 名で行ったのですが、誰の荷物にもトラブルはありませんでした。
( 私は今回トラブルをさけるため、機内持ち込みだけにしていました )
でも、モスクワ空港では、預ける荷物を
ビニールでぐるぐる巻きにしている人がたくさんいました。
ガイドブックに書いてある通りです。
空港の設備も思ったほど悪くないし、
治安も少しずつよくなっているのでしょうが
まだまだ荷物の被害は多いということなのでしょうね。
さて、研究会が始まりました。
今、 2 日目の朝です。
私は昨日一つ講演をしました。
明日、もう一回します。
今回は、イギリスやアメリカの予算状況の影響で、
参加者が少なくなってしまいました。
そのため各講演に割り当てられた話が、長くなっています。
私も昨日 45 分、明日また 30 分です。
準備が大変です…。
ところで現地の参加者は少ないのですが
多くの人が Web 会議システムで、それぞれの本拠地から参加しています。
今日は全部で 17 の講演があるのですが、
そのうちなんと12 が web 会議による遠隔地からの講演です。
こうなると、わざわざ 24 時間かけてロシアにやってきた我々の方が
特別になってしまいます。
ネット社会の一面が垣間見えているようで、
面白いといえば面白いですね。
高橋徹より
2008年05月27日
皆様
今、モスクワ行きの飛行機の中です。
あと 2 時間でモスクワです。
そこからまた 4 時間くらいかけて、
ノボシビルスクというところへ行きます。
ナノビーム2008という国際研究会です。
3 年前に、京都で “ ナノビーム2005 ” という研究会が
あったのですが、今回はその続きです。
“ ナノビーム ”という言葉は、なじみが無いと思いますが
最近よく耳にする“ ナノテク ”ということばの“ ナノ ”
つまり1/10 億メートルと同じです。
リニアコライダーのビームは、電子と陽電子の衝突点で
数ナノメートルに絞るため、まさにナノビームです。
この技術開発についての議論が研究会の主題なのですが
リニアコライダーの最終収束系というよりも
ナノビームの方が、響きが良いですね。
ノボシビルスクには、「 ブドカー原子核物理学研究所 」という
ロシアでは有名な研究所があって、
リニアコライダーの開発研究も活発です。
私が 10 年以上連絡を取り合っている研究者で
昨年広島に来た方も、ここを本拠地にしています。
ノボシビルスクは、ロシアの真ん中くらいに位置しています。
日本からの直行便はないので、どこかを経由するしかありません。
最初は、北京経由を考えていました。
それだと、日本->北京が3時間くらい、
北京->ノボシビルスクが3時間くらいです。
でも、北京->ノボシビルスク間にうまいフライトがなく
結局モスクワ経由になったのでした。
私の場合,
広島―>成田―>モスクワ->ノボシビルスク
です。
成田->モスクワが 10 時間
モスクワで 5 時間待って、モスクワ->ノボシビルスクが 4 時間
方角的には一度モスクワまで行って、半分くらい戻ることになります。
広島を出てからノボシビルスクまで 24 時間です。
ガイドブックを見ると、モスクワ空港の乗り継ぎが分かりにくいとか
ロシア国内線では荷物が心配とか書かれています。
果たして無事に着くでしょうか…?
高橋徹より
2008年05月11日
みなさま
前回は、みっともないメールを出してしまいました。
今日は、ぐっと水準を下げて具体的な例を紹介します。
僕をミクロの世界に誘い込んだのは、中学時代に読んだ、
「 ぼくはアトム 」という本でした。
たまたま家にあったごく薄いもので、著者も知りません。
それ以降、「 原子 」とつく事柄が気になり始めたのです。
偶然ですが、書店で「 原子核物理 」だったかな、
そんな題名の本( 著者は荒木さん? )を見つけて飛びつき、
意外にやさしく説明してあったので、しばらく楽しみました。
高校1年くらいでした。
ミクロの物理法則が分かったのではなく、
新しいいろんな現象やことばを初めて知ったのです。
もちろん、素粒子も出てきました。
続けて「 原子 」や「 原子核 」の付く題名の本を探しまわったのですが、
地方の小書店にそんな本は、滅多なことではこなかったようです。
そのうちに新聞に「 原子力工学講座 」シリーズの広告が載ったのです。
しかも監修者が湯川秀樹博士。
これぞ読むべき本だと思い込み、
新聞を切り抜き、毎週のように書店に行って棚を見つめました。
店主は変な少年だと思ったでしょうね。
( 取り寄せてもらうことを知らなかったのです )。
買いたい、読みたい、と 1 年近く思い続けましたが、
次第にその意欲が薄れていきました。
もし科学に親しんだ大人がそばに居たなら、
きっと僕の方向違いの思い込みを教えてくれたでしょう。
岩田正義より
2008年05月06日
みなさま
『 物理学はいかに創られたか 』という本の話は、
実にタイムリーな話題となりましたね。
ちょうど 4 月の朝日新聞・読書欄でも、
原子核理論で著名な元文部大臣の有馬朗人先生が、
若いときにこの本に熱中したと書いておられました。
天満さんのメールと合わせて考えると、
一流の研究者になれるかどうかの判定基準のひとつが、
若いうちにこういうレベルの本を
理解できることなのかも知れません。
あいにく、僕のような者にとっては、
これは非常にきつい基準ですね。
この本を持っていたことは覚えていますが、
読んでみて分かったという記憶はまったくないのです。
きっと難しすぎて、簡単に諦めたんでしょう。
すぐに捨てなかったのは、著者名と題名に
威厳があったからかも知れません。
高校卒業以来、引越しを 10 回ほどやりました。
その中でも、特に本の大量処分をしたのは
外国行きのときと、退職時でした。
アインシュタイン先生に失礼なことをしたのは、きっと前者でしょう。
岩田正義より
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