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2008年02月27日

理科から科学へ

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高橋さん

新入生を選ぶために、そして卒業生を送り出すために、
この時期の大学は特に忙しいようですね。
東広島も甲府盆地並みの最低気温に下がったようですが、
学生も先生も体をこわすことなく、過ごしてほしいと思います。

入試に関しては、たとえ足切りのためであっても
センター試験のような国内共通基準は利用しないで、
大学独自の試験だけで選抜するのが良いと思っています。
みんなが高級官僚養成大学みたいな存在を目指すのではなくて、
大学によって力の入れ方に違いがあるほうが自然でしょう。

これを実現するためには、
中高生への宣伝、学生選抜、前期教育などに関わる教員を
増やすことが必要でしょう。
そこに国がもっと投資する価値があると思います。

また、入学後、学生が自分と同レベルの仲間と群れあって、
ぬるま湯につかってしまう状況は望ましくないですね。
(自戒の念を込めて…)。
この点では、最近よくあるようですが、
他大学へ武者修行(?)に行くと、良い効果があるような気がします。

一方、理科離れの問題ですが、
これは大学入試科目が減ってから
目立ったような印象を受けました。

理科から離れても、生きていきやすくなったからでしょうか? 
でも最近は、入試科目の適正化が意識されてきたようですね。
それに、大学が科学を社会に伝えようと努力しているようです。

マスコミの努力も目につきます。
全国紙、地方紙ともに、科学欄がずっと充実してきています。
漢方薬のようにじわっと効いてくるでしょう。

それに加えて、僕たちが夢見る国際研究センターができて、
世界の研究者が協力し合って
科学を切り開く様子が見えるようになれば、
きっと「 理科から科学へ 」という道を歩む若手が増えるでしょう。

岩田 正義より

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2008年02月22日

試験シーズンです

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皆様

大学では,卒業論文と修士論文が終わって
一息ついているところです。
( 物理関連の学科で卒業論文提出を、という正式なスタイルを
採用しているところは少数です。
広島大学は少ないうちのひとつです。 )

でも、受験生はこれからが本番ですね。
多くの国立大学は 2 月 25 日が前期試験です。
毎日寒い日がつづいています。
受験生の皆さんが体調を崩さないことを祈っています。

ちなみに広島大学のある、東広島市の 2 月 19 日 の
最低気温は氷点下 6.8 度でした。
ここは標高 250m の盆地なので、とても寒いのです。

毎年この時期になると、受験の競争率が話題になります。
受験生の皆さんにとっては,競争率は低い方が良いのでしょうが
大学の教員側にとっては,これは人気のバロメータです。
競争率が高いということは、
多くの高校生が物理に興味をもっているということです。

( 我々にとって )身近な問題は、
優秀な学生にたくさん来てもらう ということです.、
が、長い目でみると、次世代の科学の担い手ということになります。
先日もある会合で、どうやって若い世代に物理( 学科 )の魅力を
アピールしていくか、ということが話題になりました。
広報活動の重要性は皆認識しているのですが
労力も予算もかかるので、具体的な行動はなかなか難しいのですが
大学も教育や研究と同じくらい広報活動を重視する時代が
来たのでしょうか。

そういう意味で,この HP や往復書簡は、時流に乗っているのかも
しれません。この往復書簡を読んで下さった方が、
少しでも物理( もっと広く科学 )に興味をもってくれると良いですね。

高橋 徹より

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2008年02月12日

Re:Re:『筑波の恋』

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みなさま

『 筑波の恋 』は読んでいませんが、
最初のデートで専門知識を懸命に、
しかし一方的にしゃべるなんて、困った人物ですね。
別れ際にすんなりと
「 また誘っていいですか? 」
「 いいわよ 」となってほしいのに…。

デートというのは、
お互いに自分のよいところだけを見せ合う場ですから、
相手にもそのチャンスを与える努力が必要でしょう。
僕がこんなことを言うと笑われそうですが…。

「 話し上手は聞き上手 」ということは、今でも通用しますよね。
もうデートの可能性のない僕ですが、地域社会に入ってみると、
高齢者との会話が多くなります。
聞き上手に出会うのは稀です。
( 耳が遠いからではありません )

なにしろ、右の耳から左へ抜けていくといった感じで、
どこまで話が通じたんだろうか、といつも首をかしげます。
その代わり、たっぷり聞かされます。

小学校同級生に定期的な集まり( 飲み会 )があります。
そんな場で、今までやってきたことを聞かれて
素粒子関連の話をはじめると、みんながすうっと引いていき、
遠くを見つめるような目になっていくような感じがします。
壁ができるんですよ。

なんだか、天に唾するような話になってしまいました。

岩田 正義より

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2008年02月07日

Re:『筑波の恋』

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天満様

出張でパリに向かう飛行機の中です。
広島から成田経由で、成田から 12 時間 30 分のフライトです。
あと 3 時間半。さすがにヨーロッパは遠いです。
普通はメールやテレビ会議で打ち合わせを行っていますが、
年に数回は、顔を合わせて話をします。

テレビ会議がいくら便利でも、
やっぱり実際に会うことは、重要なようです。
こればかりは避けられないのでしょうか。

それとも、テレビ会議でも本当の会議室で会っているような
バーチャルリアリティーの世界を作れば
会わなくてもよくなるのでしょうか。
リニアコライダーも、セカンドライフの中に作って実験を始めますか?
回数が減っても、やっぱり面と向かって会うのは必要でしょうね。

ところで、初デートで「 マックスウェルの悪魔の話 」をしてしまう話、
似たような話は本当にありそうですね。
( ところで「 マックスウェルの悪魔の話 」は、
また別の機会にしましょうか。
「 情報と統計物理 」みたいな話を昔かじったので、、、 
おっと、いきなりこんな話をしてしまうところをみると、
私も初デートで物理の話をする素養はあるようです。 )

横道にそれてしまいました。
私はどちらかというと、物理以外の一般の人と話すときに、
千田くんのような感じになるのを避けるようにしています。
物理屋であるのを隠すという意味ではありませんが、
あまり自分の世界に熱中して、
相手が引いてしまわないように考えています。

でも最近は、研究者が熱く語ることも、パブリックアウトリーチの
重要な側面であると考えるようになってきました。
あまり自分の世界に入り込んでもいけなし、
熱意を伝えることも大切だし。
バランスが難しいですね。

高橋 徹より

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2008年02月03日

『筑波の恋』

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みなさま

KEK から年賀状をいただきました。
これは、Belle の測定器でしょうか。
色がキレイで、造形的にも素敵です。

KEK の住所を見ていたら、以前読んだ短編小説を
思い出しました。
清水義範氏の『 筑波の恋 』です。
お読みになったことがありますか?
つくばが舞台です。

主人公の千田康之は、筑波学園都市に住む独身の研究者。
彼女イナイ歴 31 年。

その彼が、お見合いをします。
初デートで、熱力学の研究者である千田に
あろうことか熱エントロピーの話題をふってしまったのですから、
さあ大変!

彼はだんだんノッてきて、相手の女性の気持ちなどお構いなしに
蒸気機関から、ジェットコースター、ヒートデス、
最後は「 マックスウェルの悪魔 」の話までいってしまいます。

熱エントロピーの話を「 心ゆくまでやってしまった 」主人公は
次回のデートを楽しみにしている様子ですが
…さてどうなるんでしょう

何気ないやりとりですが、ふたりの会話とその内なる声を
読んでいると、こういうの、いかにもありそう、
と苦笑してしまいます。

小説の途中に
「 もうどうなってもしらない 」
「 デートの話題にこれはないんじゃないだろうか 」
「 そんなことどうだっていいやとまともな人間は思う 」

と、傍観者になりきった作者の一文があって
これがまたいいんです。

ここでこんなことを書くと、おこられそう(笑)と思いながら
清水ワールドをお薦めしてみました。
*『 ジャンケン入門 』( 大陸書房 )所収

天満ふさこより

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