物理学者と素粒子好きのみなさんとの、ILC(リニアコライダー)にまつわる対話集。
好奇心のおもむくまま話はいろいろなことろに、飛んでいきます! はてさて、素粒子物理研究の一端をここで垣間見る見ることはできるのでしょうか?
▼はじめのごあいさつ
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広島大学准教授。スタンフォード線形加速器センターへて、広島大学へ。リニアコライダーでは「レーザーと電子ビーム」をキーワードに光子光子衝突や偏極陽電子源の開発を行っている。小学校のときは剣道場へ通い、中学・高校ではサッカー部だった。今でも週2回のスポーツジム通いは欠かさない。
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バレエ評論家。第4回・5回日本ダンス評論賞入賞。好きなものはバレエと猫。著書に『「星座」になった人 芥川龍之介次男・多加志の青春』(新潮社)がある。
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高エネルギー物理学実験を楽しんできたが、1年半前に KEKを定年退職して現在は名誉教授に。05年には木原元央氏と共著にて『リニアコライダー 素粒子の謎に挑む最強の加速器』(技術経済研究所)を刊行。
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カリフォルニア工科大学大学院に留学し、スタンフォード線形加速器センター、フェルミ研究所等で素粒子実験に携わる。ハーバード大学准教授、ハワイ大学教授を経て現在東北大学教授。ILCの物理と実験に関する国際組織のアジア代表を務めている。趣味は茶道、ピアノ、インラインスケートなど。
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2007年09月29日
みなさま
猛暑の後遺症で、ボケッとしたままご無沙汰してしまいました。
お二人とも大きな地震を経験されているんですね。
災害の話は、やはり経験者から聞くと
怖さのイメージが浮かびます。
僕は幸いに大地震には出会っていません。
今までに住んだ土地の中で、
仙台、東京、名古屋、ニューヨーク、ジュネーブ、甲府では、
地震をほとんど意識しませんでした。
ところが、つくばは、違いました。
よく揺れるのです。
寝ているとゴーッと地響きがして、度肝を抜かれます。
それからユッサユッサと揺れ始めます。
こういうタイプの地震が多いのです。
筑波山の下が広く岩盤になっているからだ、と聞きました。
( P波によるものでしょうか。
初めの音は、自然の地震速報みたいなものです )
つくば市から 50 キロくらい北の方に、
焼き物で有名な、益子と笠間があります。
よく出かけた所でしたから、大きめの地震が来るたびに、
棚に並んだたくさんの焼き物は大丈夫だったろうか
と心配したものです。
地震の巣とも言われる茨城ですが、
頻繁に揺れてエネルギーを吐き出すので、
大地震には至らないようです。
ですから生活上はあまり心配しませんでしたが、
KEK で巨大な実験装置( 8 メートル立方で 1200 トンくらい )
をつくったときには、耐震性を大いに気にしました。
振動してぶつかり合うと壊れそうな検出器部分については、
近くの防災研で揺さぶって、安全を確認してもらいました。
また装置全体が揺れても、茨城の典型的な地震に同調して
増大しないことを、計算だけでなく振動試験でも
会社に調べてもらったものです。
それにしても、大きな地震のニュースが多いですね。
僕が住む地区の防災訓練は、 8 月末でした。
(こういうときになぜ来賓挨拶があるのでしょうか?)
岩田正義より
2007年09月24日
みなさま
サンフランシスコ大地震のことは、私も覚えています。
テレビのニュースで見た、高速道路があちこちで寸断された映像に驚いて
慌てて知人の安否を確かめました。
寺田寅彦の随筆に 『「 震災日記 」より 』 というのがあります。
これは、大正 12 年( 1923年 ) 9 月 1 日、
関東大震災のときの、自らの体験を記したものです。
東京が大地震にみまわれた時、
彼は上野の二科会展覧会の喫茶店で、紅茶を飲んでいました。
急激な地震の主要動が来たとき、
彼は地球物理学者らしく、自分の居た建物の揺れの周期を
観察しています。
その揺れ方から、この建物は大丈夫だと直感し
「 この珍しい強震の振動の経過をできるだけくわしく
観察しようと思って骨を折っていた 」『 寺田寅彦全集 』( 岩波書店 )
といいます。
まわりはわれ勝ちに、一人残らず出口から建物の外へ
出て行ってしまっていたので、勘定をすることができません。
やっと戻ってきたボーイに、寅彦は勘定を払い、
ひどく丁寧に礼を言われたりしています。
そして非常に多くの家屋が倒壊したために起こる、
ひどい土ぼこりのにおいに大火を予想しながら、家に着くのです。
私は、この随筆を繰り返し読んでいたので、美術館で地震に遭ったときも
『 震災日記 』と一緒だ!と思い、慌てずに済んだのでした。
ちなみに、この関東大震災のとき、二階に赤ん坊が寝ていたにもかかわらず、
自分だけ先に外へ逃げ出し、あとで奥さんに
「 赤ん坊が寝ているのを知っていて、自分ばかり先に逃げるとは
どんな考えですか 」
と叱責された作家がいます。
この作家の名前を芥川龍之介といい、この時、生後十ヶ月の赤ん坊は、
多加ちゃんこと、芥川多加志といいました。
『 追想 芥川龍之介 芥川文述 中野妙子記 ( 筑摩書房 ) 』
天満ふさこより
2007年09月19日
天満様
私も芸予地震は良く覚えています。
大学にいたのですが、パソコンのディスプレイが
机の上でカタカタと揺れていました。
直ぐに自宅に電話して、何事もなかったことを確認してから
帰宅しました。
電話が混み合うよりも一瞬早かったようです。
あと数分遅れたら、電話は使えなかったでしょう。
私が体験した最も大きな地震は、1989 年 10 月のサンフランシスコ地震です。
ロマプリータ地震( Loma Prieta Earthquake、ちなみに外国人には
ロマ プリエータ < エにアクセント> と言わないと通じません )
という名がついています。
スタンフォード線形加速器センター( SLAC )に着任した直後で、
アパートを探すために車で走っていました。
大きな揺れを感じたので、パンクしたのかと思って直ぐに止まったのですが、
揺れが収まりません。
それで地震だと気がつきました。
まだ生活にも英語にも慣れていなかったので、どの程度の地震かよくわからず
24 時間近く経った後アメリカで放送された前日のNHKニュースを見て、
やっと理解できたと記憶しています。
SLAC の建物も加速器も耐震構造だったため、
被害はほとんどありませんでした。
( スタンフォード大学では,石作りの建物に被害がでて
完全復帰に数年かかりました。 )
でも、SLC( SLACの 3 kmの線形加速器 )の一部は
小さな断層にかかっていて、そこは 1 cm くらいずれたそうです。
ILC は事前に精密な地質調査も行いますし、
揺れても直ぐに再調整できるように設計されます。
高橋徹より
2007年09月14日
みなさま
9 月 1 日は、「 防災の日 」でした。
テレビで、地震の被災地の映像を見るたびに、胸が痛みます。
今から 6 年前の 3 月 24 日の午後でした。
ちょうどそのとき、ひろしま美術館へ「 古伊万里のすべて 」
という特別展を観に行っていました。
地下一階の展示室で、焼き物を見はじめたとき、
いきなり足元を巨大な槌で殴りつけたような、
突き上げるような振動がきました。
「 あっ、地震だ! 」
とすぐにわかりました。
陳列棚の陶磁器が、小さなジャンプを始めました。
急いで展示品のガラスの前を離れ、中央の柱につかまりました。
すると、ぐらっ、ぐらっと激しい横揺れがきました。
こんな大きな地震、今まで経験したことがありません。
ですが、地下一階の鉄骨コンクリート造の部屋で、
もともと美術品を守るための部屋ですから
この揺れならどこよりも安全なシェルターだろう、そう思いました。
どうしてこんなに落ち着いていられたのか、それには理由があります。
寺田寅彦の随筆を読んでいたからです。
びっくりしたのは、観覧者がワーッと叫び声をあげて
われ先にと、入り口のガラス扉のところへ殺到したことでした。
誰かが倒れたら、どうなるんでしょう…。
次の大きな揺れがきたとき、みんな走って地上へ逃げてしまいました。
展示室に残っていたのは、私と母、それからあと二人くらいだった
と記憶しています。
いつもの数倍の時間かかって、自宅へたどり着き、ゾッとしました。
2 階の私の部屋は、最初扉が開きませんでした。
十数年分のダンスマガジンを、本棚と洋服ダンスの上の縁に
グルリ並べていたのです。
それが地震の揺れでほとんどが落ちてしまっていました。
この部屋にいたら、無傷ではいられなかったかも知れない…。
入り口に殺到する人のことを怖がったくせに、
まず自分のことが、何もできていなかったのです。
自宅の屋根瓦が大きく波打っていることを知ったのは、
翌日のことでした。
この地震は、マグニチュード 6.7 で、
「 芸予地震 」と呼ばれています。
天満ふさこより
2007年09月08日
皆様
前回 SETI@HOME の話をしました。
私も数年前やっていたのですが
久しぶりにこの HP を覗いてみました。
世の発展はすごいですね。
SETI だけでなく、とてもたくさんのプロジェクトが
ネットを通してパソコンで動くようになっていました。
BONIC という分散コンピューティングの枠組みが
開発されているそうです。
みたところ,バイオ系のシミュレーションが多かったのですが,
その中に LHC@HOME というのを見つけました。
LHC加速器の中を走る陽子の軌道を計算するんだって。
前回
『 Search for New Particles at HOME の時代もくるのかな、、、 』
なんて書きましたが。
「 くるのかな、、、 」という時代ではないようです。
高橋徹より
2007年09月04日
でも,新しい試みも始まっています。
B - Labというのは聞いたことがありますか?
KEK で行われている B ファクトリー実験の
データの一部を公開して
外部の方に、素粒子の探索をしてもらおうというものです。
主な対象は、高校生ということです。
私も大学 2 年生の諸君にこれに挑戦してもらっていす。
まだ始めたばかりですが,とても良くできたプログラムで,
高校生でも少し勉強すれば、新粒子探索ができそうです。
これは教育的な要素が強いですが、それでも面白い試みですね。
そういえば,天文の世界では、SETI@HOME
( Search for Extraterrestrial - Intelligence at HOME、
お家で探す地球外知性? )
というのがあります。
プエルトリコのアレシボ電波天文台で、
宇宙から来た電波を受信して、その中に
知的生命が送信したような信号がないか、探しているのですが
そのデータ解析には、とってもたくさんの計算が必要なのです。
で、どうしたかというと、
パソコン上で動く解析プログラムを web 上で公開して
これを一般の人のパソコンにインストールしてもらうように
したのです。
このプログラムは、スクリーンセーバーとして動くように
なっています。
つまり、パソコンのスイッチを入れておけば、
使っていない時には、かってに宇宙人探索をやるんです。
データは SETI 本部からインターネットで自動的に取得し
解析結果も自動的に送り返すようになっています。
面白いですね。
私も以前やっていたことがあります。
( 飽きてしまったので、今は止めていますが 、)
Search for New Particles at HOME の時代もくるのかな、、、
話がそれてしまいました。
高橋徹より
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