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2007年08月31日

Re:Re: ブライアン・メイ氏と天文学

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天満様

返事ありがとうございます。
ブライアン・メイ氏は宇宙に関する著書もあるのですね。
そういう意味では、私が前のメールで言った
基礎訓練にあたる部分は、
若い頃十分に行った方なのでしょう。

それにしても、研究の世界から長い間離れていた人が、
博士論文を書くというのは
素粒子実験分野では聞いたことがありません。

天満さんの言われるように、web に代表される
インターネットの発達によって、
世界中の人が情報を共有できるようになりました。
( そもそも、そのために、素粒子実験屋が web を作ったのでした。。。 )

ですが、だからと言って、
素粒子実験でブライアン・メイ氏のような例が出るには
まだハードルがあるのではないかと思います。

素粒子実験では、実験データはその実験を行った
実験グループのものです。
データそのものが、公開されることはありません。
公開されるのは、データを解析してでてきた物理の結果です。
実験で取ったデータそのものを
外部に公開することは、普通ありません。

実験データの処理するためには
実験装置や加速器のことを良く理解しておく必要があるので、
外部の人がこれを行うのは非常に困難ですし、
思わぬ間違いをする危険性があります。

高橋徹より

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2007年08月23日

Re:ブライアン・メイと天文学

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高橋 先生

メールを拝読いたしました。
Queen のブライアン・メイ氏ですね。
私も日経で小さな記事を読みました。

ちょうど、モーリス・ベジャール・バレエ団の
「 バレエ・フォー・ライフ 」が 2008 年 6 月に
再公演されることを知ったばかりでした。
これは、Queen のボーカリスト、フレディー・マーキュリーと
伝説のダンサー、ジョルジュ・ドンという亡き二人のために
振付家ベジャールが捧げた作品( オマージュ )です。
全編に Queen とモーツァルトの音楽が使われている
生と死がテーマの感動作なのです。
私なんか、観ていて燃えてくるものがありますもの。(笑)

ブライアン・メイ氏は、
" BANG! THE COMPLETE HISTORY OF THE UNIVERSE ”
邦訳は
「 BANG!宇宙の起源と進化の不思議 」( ソフトバンククリエィティブ )
http://www.sbcr.jp/books/products/detail.asp?sku=4797340075

を共著で出版しておられました。
すごい!彼は、二十代からずっと夢の卵をあたため続けていたのですね。
Queen の天才ギタリストが、天文学の博士論文を出してしまった…。

私は、ある分野で頂点を極めた人というのは、全く別の分野でも
案外スルッと、うまいこといってしまうのではないか
と感じています。
「 道を究めた人 」というのは、すべてのことに通ずる原理、法則を
体得しているように思えるのです。
そういう揺ぎない基礎を持っていると、応用や変形が利きますよね。

これまで知の世界は、大学や研究所などの強固な壁に守られていました。
しかし、インターネットの発明によって、パソコンを通じ、
誰でも簡単に、世界中の知にアクセスすることが
できるようになりました。
現在では、最前線の科学者の最新の論文まで、web で閲覧することが
可能になったと伺っています。

もちろん、大学院へ進み、博士課程を経て、博士号をとるというのが
主流であることは変わらないでしょうが、今までとは異なった形での
博士号の取得がでてきても不思議ではないでしょう。

( 前にも書きましたが )
www こと、World Wide Web は、素粒子物理学の世界で使われ、
世界中に広がりました。
もしそういう変化が現れてきたとしたら、それを影で後押ししたのは
実は素粒子物理学者だった…? と言えるのかも知れません。

天満ふさこより

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2007年08月19日

ブライアン・メイと天文学

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皆様

朝日新聞にクイーンのギタリスト、ブライアン・メイ氏が
天文学の博士論文をロンドンのインペリアル・カレッジに
提出したという記事が載っていました。
http://www.asahi.com/science/update/0804/TKY200708040210.html

私達の年代(かなり幅広い年代にわたると思いますが)には、
クイーンという名前になにか特別なものを感じる人も
多いのではないでしょうか。

そのメンバーが、博士論文を書くほど天文学を指向していたなんて、、、
ブライアン・メイ氏の努力と才能には驚くばかりですが、
別のことが頭に浮かびました。

素粒子実験の世界では、すべてのプロジェクトは
多くの人による共同研究で、研究者それぞれが
何らかの形で、研究に寄与することが共同研究の条件です。

その中で、博士候補は研究の原動力という位置づけが
一般的です。
彼/彼女らが昼夜を問わず努力して実験を支え、
そのデータで博士論文を書く、というのが通常です。
これには若いというのが必須の条件ですね。
自分のことを考えても、あの当時の体力はもうありません。

今、大学院にも社会人入学枠というのがあるのですが、
私はこれは別の分野の話だと考えていました。

社会人の方が、若い大学院生と同じように
研究の原動力となるのは無理なのはもちろんです。
でも、これに関しては、別のやり方で研究に寄与して
成果を上げることも可能だと思います。
(パブリックアウトリーチをやれば、大きな寄与ですよね)

しかし、ある程度年齢を重ねた人が、
大学院レベルの素粒子物理学
(物理学の理論もあれば、測定器に関する技術や物理もあります)を
基礎から学びことができるだろうか、というのが疑問です。

以前、脳の話のところでも出ましたが、
勉強も基礎訓練が重要です。
特に物理や数学といった分野で重要ですが、
これは若い脳であればあるほどうまくいきます。
この意味で、大学院の社会人入学は、
素粒子実験には合わないと考えていました。

今回、天文学というお隣の分野で、
長い間音楽をやってた方が博士論文を書いたと聞いて、
一体どうやったのだろう、
私達の分野でも、こんなことが可能なのだろうか。
可能だとしたら、その可能性を開拓するべきなのではないだろうか。

などということを考えました。

どう思いますか?

高橋徹より

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2007年08月14日

「加速器の夜」

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KEKの藤本順平さん(「 加速器の夜 」に私を呼んでいただいた方)
から返事をいただきました。ご本人の承諾のもとに掲載します。

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高橋様

高エネの藤本です。
先日は、新宿でありがとうございました。
主催者側発表によりますと、来場者は過去最高
( といっても 3 回目ですが )の 87 名。
ジワジワと「 加速器の夜 」の認知度もあがっているのかな、
という感想をもちました。
第一部の高橋さんの放射線の話が
面白かったというアンケートの結果もいただいています。

私たちは、加速器を使うのが商売なので、
ともすれば普通の機械と思ってしまうのですが、
こういったところで話させていただくと、
いかに加速器が知られていないかが分かります。

加速器というと、「 サイボーグ009 の加速装置? 」
と聞かれることがあります。
( 若い人はサイボーグ009をご存知ないかも、、、 )
また、地下の巨大トンネルに何キロにもわたって装置が置かれており、
それで宇宙の始まりを再現して研究しているのだということに
目をまん丸くされます。

実は先日の日曜日( 8 月 5 日 )に
「 見学ナイト 3  おさらい KEK 見学会」ということで、
新宿に来ていただいた方に、実際に加速器を見ていただく会を催しました。
例により、大森さんにお手伝いをお願いして、
B ファクトリーの線形入射器、ATF、STF、陽子前段加速器を見学し、
最後に皆さんに霧箱を手作りしていただきました。
総勢 40 名の大所帯でした。

見学会の最後にいろいろな加速器関連サイトを紹介しました。
KEK はもちろん、やはり CERN は欠かせないということでCERN。
特に「 天使と悪魔 」に関連した質疑応答のページには
皆さん大笑いでした。
また、この「 物理屋往復書簡 」も紹介させていただきました。

「 社会科見学に行こう 」の会員には、
ネットを自在に使われている方々や、
メディア関係者がおられます。

現在あるファミコン( ちょっと古い表現? )上で
「 社会科見学に行こうゲーム 」が企画されており、
その中の見学場所のひとつとして
KEK が登場するともお聞きしました。
詳細がわかりましたら、またご連絡いたします。

まったく別件ですが、「 神様のパズル 」(機本伸治著 角川春樹事務所)
http://www.kadokawaharuki.co.jp/book/detail/detail.php?no=1038は
やはり映画化が進んでいるという情報ももらいました。
あの話は、 ILC から日本は離脱して
独自路線を行くというシナリオなのですが、
「 加速器 」の存在を皆さんに知っていただく
よいチャンスになると思い、期待しています。

藤本順平より

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2007年08月09日

講演が続きました

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皆様

ちょっと古い話ですが、 6 月 30 日、 7 月 1 日と二日続けて
一般の人向けに、講演と実演をしました。

30 日は、広島市こども文化科学館でやっている
湯川・朝永生誕 100 年記念展の催しでした。
身の回りの 「 放射線を見てみよう 」 ということで、霧箱を使って
空気中のラドンの飛跡を見たりしました。
霧箱の話は、小柴先生の講演会のときにしましたよね。
今回は、うまくいきました。

全2 回講演だったのですが、2 回目は、天満さんにも来ていただきました。
実はその 2 回目には、私の家族もいたのです。
家族がいると、とてもやりにくい。
いつもとちょっと調子が違っていたのですが、分かりましたか?

7 月 1 日は、新宿歌舞伎町のパブ( ? のようなところ )で
飲みながら加速器や物理の話をするという、不思議な会でした。

「 社会科見学に行こう 」
http://kengaku.org/

という団体があって、
積極的に、いろいろなところを見学しているそうなのですが、
KEK も “ お気に入り ” のひとつ、ということです。
今回はその夜の部、 “ 見学ナイトvol5 加速器の夜 ~第三夜 ”

日曜日の夜というのに、何十人もの参加者が集まって、
前の壇上に主催者の方々……
そこに大森さん、山下さん、藤本さん、加藤さん( 工学院大の方です )、
私が並んで座って、飲んだり食べたりしながら話をするのです。
いきなり、「 物理屋往復書簡 」 の高橋さんなんて紹介されて、びっくり!!!

うまく話をしたのかどうかわかりませんが、
さりげなく?私達の本と、天満さんの最新刊を宣伝しておきました。

それにしても、日曜日の夜というのに、遅くまで
何十人の人たちが、加速器とか素粒子の話で盛り上がるなんて、、、
「 素粒子も捨てたものではない? 」と思いました。

高橋徹より

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2007年08月02日

Re:続「星座」になった人

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みなさま

大森先生、ありがとうございます。
「 鎌倉ものがたり 」を 2 冊買って読みました。
ミステリー作家の一色先生の活躍、面白いですね。

ですが、「 星座 」を探しているときは、
ちっともほのぼのしていませんでした。( 苦笑 )
早く見つけなければ、捨てられてしまうかも知れない…。
毎日崖っぷち。
無念の死を遂げた人の想いを受け止めるというのは、大変なことでした。
でも、そんな中でもうれしいことがあったのです。

「 海外でも芥川文学の評価は高い 」
と本文で書いていたら、
「 例えば、どのように? 」
と編集長の矢代さんからコメントがきました。
そこでJay Rubin氏( ハーバード大学名誉教授 )が、
PENGUIN CLASSICS から出された
" Rashomom and Seventeen Other Stories " のことをあげました。
" THE BABY’S SICKNESS " には、
" Taka " こと、多加志さんも載っていますよ、って。
すると、「 この本は、春に我が社から出ることになっています 」
と言われました。
ええーっ、またつながっている!?!?

その本は、世界のハルキこと、村上春樹氏が序文を書いて
おられたことでも有名でした
『 芥川龍之介短篇集 』 ジェイ・ルービン編 ( 新潮社 )
http://www.shinchosha.co.jp/book/304871/
そして、芥川龍之介没後八十年を記念して、
私の本も同じ日に発売してくださることになったのです。

えっ、あのジェイ・ルービン先生と、それから世界のハルキと
ほんの一瞬でも一緒にお仕事ができる!!!
驚くようなセレンディピティー( 幸福な偶然 )でしょう。

(あのぅ、村上春樹氏ってご存知でしょうか?
フランツ・カフカ賞や、フランク・オコナー国際短編賞も
受賞され、次はノーベル賞では…と期待されているんです。)

その本には、村上春樹氏の 18 頁にもわたる Introduction が
載っているのですが、知らない単語がたくさんあって、
最初から最後まで辞書と首っ引きでした。
"The Makioka Sisters " ( 「 細雪 」谷崎潤一郎 )
" A Spinning Gear "( 「 歯車 」芥川龍之介 )
英訳するとこうなんですね。
( あとで知ったのですが、この Introduction は、
ルービン先生の英訳だったそうです。
どうりで、こなれた、パーフェクトな英語だったわけです。笑 )

本屋さんに、私の本とルービン先生の本が並んで置いてありました。
ルービン先生の表紙は、蜘蛛の糸をつたって下りてきている( 登っている? )
クモを、猫が立ち上がって捕まえようとしています。
この 2 冊を見ていると、私には多加志さんとお父さんである芥川龍之介が
仲良く並んでいるような気がして、ジーンとしてしまったのでした。

> 昔の方が科学と文学の関係が近かったのだと思います。

夏休みには、数式だけでなく、ぜひ美しい日本語にもふれていただきたく…。

天満ふさこより

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