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2007年07月11日

湯川・朝永展(中間子論の頃)

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皆様

 広島市こども文化科学館で行われている
湯川・朝永生誕 100 年記念展に行ってきました。
今回の展覧会の目玉として、朝永さんが湯川さんに送った
直筆の手紙が展示されているのですが、
とても興味深いものだったのでの紹介します。

天満様、ちょっと専門的になります。
岩田さんはご存じでしたか?

湯川さんというのはとても几帳面な方で、
中間子論の研究資料をまとめて保管していたそうです。
今回、その中から朝永さんが湯川さんへ送った手紙が
展示されていました。
この手紙の存在は知られていたようですが、
展覧会などで公開されるのは、初めてとのことです。

この手紙は1933年( 夏前のようです )に
朝永さんが湯川さんに送ったもので、
中性子と陽子の散乱に関する研究の状況を
知らせたものでした。

手紙と言っても,物理のレポートのようなものです。
今、私たちはメールや WEB 研究の情報交換を
していますが、当時は手書きの手紙だったのです。
大変ですね。

物理では、物質と物質の相互作用を表すときに、
よく「 ポテンシャル 」という表現を使います。
このポテンシャルがどんなものかというのが、
相互作用の性質を決めるのです。

中間子論に関していうと、
「 原子核の中で中性子や陽子を結びつけている
核力のポテンシャルがどうなっているか 」
ということです。

ところが,朝永さんの書簡の中に、
中性子と陽子の散乱のポテンシャルについて
「 仙台でやりました 」とのコメントとともに、
これで良いようだという式が示してありました。
この式というのが、後に湯川ポテンシャルとして知られる
“ パイ中間子のつくるポテンシャルの形そのまま ”
なのです。

湯川の中間子論の論文は1934年ですから、その前年です。
びっくり!

中間子論から 50 年以上も経ってから
素粒子物理を学んだ私にとっては、
この朝永さんの手紙は、中間子論そのものに
見えてしまいます。

思いもよらず、興奮の 1 日でした。

高橋徹より

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