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2007年04月15日

Re:ミクロの世界とマクロの世界

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天満さま

山下さんの講演の様子を知らせていただき、
ありがとうございました。
楽しまれたようですね。

ところで山下さんは CERN に 6 年も居たそうですね。
前にも触れたように、僕が滞在したのは、はるか昔のことでした。
ヨーロッパが、アメリカに代わって、
高エネルギー物理を牽引し始める前夜だったとでも言いましょうか。
見当たる日本人研究者は片手で数えるくらいで、
自国語で相談できる相手が無いも同然でした。

CERN での公用語は、今でもそうでしょうが、仏語と英語でした。
ジュネーブはスイスの仏語圏ですから、研究者以外は仏語が主流でした。
仏語の素養が無かった僕が、所内の会話教室に行かなかったのは、
振り返ってみると大きなヘマでした。

CERN は、その周囲に長期契約をした家具付きアパートの部屋を
たくさん持っていて、僕はこれに入居することにしました。
所内のハウジング・オフィスの担当です。
そこには、日本語を話せるフランス人が居る、
と誰だったかが教えてくれたので、行ってみると、
なるほど日本語がペラペラ。

日本に居たことがあると言うので、何をしていたのかと聞くと
即座に「ヤクザ!」(笑)
正体が何であろうと、地獄に仏とはこのことでした。
当時すでにおじさんだったからもう居ないでしょうね。

仏語ができないと、所内で意思疎通を欠く部分ができます。
実験グループ担当の技術者とは、毎朝会うたびに、
おはよう、元気?
ハイ、あんたも元気?
ハイ、

この後が続きません。互に見つめあい、ニヤっとして別れるという繰り返しでした。
淋しかった。

或るパーティーで、どんな仏語を知っているのか聞かれたとき、
やむを得ず「ジスカルデスタン(当時の仏大統領の名前)」と
答えて笑われました。
でも嘘ではなかったのです。

2 度目は単身で滞在しました。
ある日、ひとりぼっちを見かねた実験責任者のアメリカ人教授が、
映画に連れて行ってくれました。
夫人と 3 人でした。
上映していたのは「道化師」というイタリア映画。
音声はイタリア語、ジュネーブだから字幕はフランス語とドイツ語!!!
隣に座った教授夫人が気を使って、ひんぱんに英語で解説をしてくれました。
恐縮してコチコチになり、理解するどころか本当につらい映画鑑賞でした。

漫談みたいになってしまいましたが、仏語には泣かされたのです。
天満さんはバレーを通じてよく知っているでしょうから、
こんど山下さんに会ったら、6年間で磨いたはずの仏会話力を試してみてください。

KEK周辺で全国の若手研究者をみると、英語力の高さに驚かされます。
間違いなく、研究環境が国際的になったためです。
国際リニアコライダーでは、公用語は何になるんでしょうかね。

岩田正義より

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