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2007年03月14日

バレエと物理学者

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みなさま

高橋先生、どうもありがとうございました。
ILCが実現に向けて、確実にスタートしたことが
よくわかりました。

さて、話は変わりますが…。

私は、学生の時から寺田寅彦に親しんだおかげで、
物理学者が書いた文章が大変好きです。
「 團栗 (どんぐり)」を読んだときは、一生に一作でよいから、
このような作品が書けたら……、と思いました。
若く美しい妻が、乳飲み子を遺して、肺結核でこの世を去るという、
病妻物の、は・し・り のような作品です。

彼が活躍した 20 世紀初頭は、
量子力学が、飛躍的な発展を遂げた時代でした。
また寅彦は、生前のアインシュタインに会った、
数少ない日本人のひとりでもあります。

ラザフォード、ボーア、プランク……
随筆でたくさんの物理学者に出会ったことが、
後に素粒子物理にも、興味を持つきっかけに
なったような気がします。

逆に文学の世界に浸りすぎると、「 情念の世界 」で
足元が液状化現象を起こして、倒れそうになってしまうことがあります。(笑)
すると、むしょうに科学関連の本を読みたくなるのです。
自分の中で、バランスを取ろうとするのでしょうか…?

「ちょっと勝手なお願い」のところで高橋先生が書かれていた
「バレエと物理とのつながり」ですが、
物理学者にもバレエに興味のある人は居ます。

寺田寅彦は、今から 85 年も前、大正 11 年( 1922年 )に
2 回もバレエを観ていました。
伝説のロシアのバレリーナ「アンナ・パブロヴァ」です。

9 月 11 日に帝劇で、それから同じ月の 27 日にも小宮豊隆と観ています。
日記で発見したときは、まぁ~っ! と思ってうれしかったですね。
それで、バレエについて、何か随筆を書いていないか探したのですが、
見つけることができませんでした。

日記にある「白鳥」というのは、「白鳥の湖」ではなく、
「瀕死の白鳥」( ミハイル・フォーキン振付 )というバレエのことでしょう。
白鳥の命が尽きていく最期の瞬間を、
肩甲骨から指先までのさざなみのような動き、
それから、トウシューズで立って小刻みに足踏みをするような、
パ・ド・ブーレ( Pas De Bourree )という足のパ( ステップ )で
深遠に表現します。

私は、パブロヴァ賞を受賞した、マイヤ・プリセツカヤの「瀕死の白鳥」を
6 回も観てしまいました。(笑)
ですが、寅彦がアンナ・パブロヴァを観てどう感じたのか、
書き残してほしかったですね。
きっと、私とは、捉えかたが異なったことでしょう。

天満ふさこより

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