rssフィード


Movable Type 3.2-ja-2



2007年01月01日

Klein - Nishina の公式

line

みなさま

新年あけまして、おめでとうございます。
今年も楽しいやりとができるとよいですね。

さて、新年早々の話題としてはカタイかもしれませんが、
宿題となっていた、クライン・仁科の公式です。
式自体を説明しても仕方がないですよね。

これは、電子と光の粒である ( 光子 ) の衝突の大きさ ( 確率 ) を
計算する式です。
電子に光が当たると、電子がはじきとばされるという現象は
「 コンプトン散乱 」と呼ばれますが、
光が粒子の性質を持っていることの証拠として非常に有名です。

まず、ここからやってみましょう。
光が、電磁波という波としてだけ振る舞うとします。
光の代わりに水面上の波、
電子の代わりに水面に浮いているボールを考えてください。

波がやってきてボールにあたると、
ボールは、波の振動で「 その場で 」上下しますが、
決して波と一緒に移動することはありません。
つまり、光が電磁波という波だけの性質をもっているのならば、
光が電子に当たっても、その場でちょっと振動するだけのはずです。
( じゃ、サーフィンはどうなっているのかって?
これは難しいのでまた別の機会に。 )

今度は、ビリヤードを考えてみましょう。
電子の代わりに赤玉、今度は光は粒なので
白玉を考えてみます。
止まっている赤玉に白玉を当てると、赤玉は動きますね。
つまり、電子は、光によってはじきとばされます。
白玉と赤玉の当たる角度やスピードで
跳ね返る方向やスピードも違います。

電子と光の衝突で、実際に起こっているのは、
このビリヤード現象と波の現象の両方が
入り交じった複雑なものです。

“ クライン仁科の公式 ” は、この現象を記述する ( もちろん光と電子で )
公式です。

ところで、ビリヤードのテクニックで、
「 押し 」とか「 引き 」とか「 ひねり 」というのが
あるのをご存じですか。
当てる球にいろいろな回転を与えると、
当たる角度やスピードが同じでも、跳ね返り方が違うので、
それを利用して、高得点をねらうのです。

玉の回転 → 粒子のスピンが思いつけば、
天満さんも、相当な素粒子かぶれですね。
実際のコンプトン散乱にも、スピンが大きく影響します。

今日はこの辺にしましょうか。

高橋徹より

line

このエントリーのトラックバックURL:
http://linear-collider.org/mt/mt-tb.cgi/33