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2006年11月25日

KEK見学会

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高橋先生

続けてすみません!
こんなものを ILCサイトのリンク先で見つけました。

> 国際リニアコライダー用に計画されたタイムスケールで
> 最初の衝突が起こる頃には、プロジェクトに現在取り組んでいる
> 大多数の科学者とエンジニアは引退しているだろう。
> Uriel Nauenberg氏(コロラド大学の素粒子物理学者)は、
> 素粒子物理学の分野で現在進められているプロジェクトと
> 実験が次の世代へ確実に継続されるよう働いている。

本当なんですか?
タイムスケールでの最初の衝突は、いつ頃なのでしょう…
自分の手で、最初の衝突を見届けられないかも知れないのに、
多くの世界中の研究者やエンジニアが
全身全霊でILCに打ち込んでいるのですか。

じーん、としてしまいました。
文学や芸術の世界では、私が、私が、という人がたくさんいて
「次世代のために」と、多くの人々が、力を結集していく…
こういう発想は、まず見られないことです。
ガウディーのサグラダファミリアを連想してしまいます。

私も襟を正してやらなくては、と思いました。
世界最大最高のリニアコライダープロジェクトに
ほんの一瞬でも関わることができるのでしたら、
人生のうちでも濃密に凝縮された期間になりそうです。

サイトを見ていたら、見学会のことが書いてありました。
一般の人も、見学することができるのですね。
私も行ってみよう、と思いつきました。

メールと本、それからサイト… 「文字だけの世界」では、
やはり世界が狭まってしまいます。
五感を使ったほうが、少し感覚が研ぎ澄まされるような気がするのです。
やはり、私は、舞台系、体育会系なんでしょうか。

天満ふさこより

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2006年11月23日

ILC理解の基礎になりそうな本を教えてください。

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高橋先生

そうですか。
実験物理学者と理論物理学者が、
仲良く協力してやっていけるといいですね。
私の持っている某研究所のビデオは去年行ったとき、
某先生にいただいたのですが
すでに(実験)(理論)とは
書いてありませんでした。
Version が新しいのかな?

今日はインターネットで、
ILCの関係の入門書がないか
自分自身で探してみました。
ですが、見つかりませんでした。
世の中には、本が溢れているのに…

英文の広報サイトは、
フツウの人には理解するのは、困難でしょう。
私も、少しは頑張ってみましたが、
Hadron Collider って何? 
GDEってどんなもの? という調子で、
一般の辞書には載っていないため、それを把握しようとすると、
一時間でくじけます。階層構造に落ち込んでいきました(苦笑)。
ILCを理解するための、基礎になりそうな本でよいので、
教えてただけませんか。

突然ですが、素朴な疑問!
(1)建設地は、いつ頃決まるのでしょうか。
(2)建設着工予定はいつですか?
(3)ILCプロジェクトの、サイト以外の広報活動は?

私も、まず質問をする前の基礎体力を醸成していきたいと思います。

天満ふさこより

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2006年11月21日

Re: 初心者が ILCを理解するのに役立ちそうな本をご紹介ください。

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天満様

実験屋と理論屋が犬猿の仲であるというのは、
誤解というか最近はそうでもありません。
確かに、双方で
なかなか話が通じない時期はあったと思います。
でも最近、素粒子をやっている実験屋は、
理論屋と協力的にやっています。
理由は簡単で、実験も理論は研究が進んできて
逆に実験だ理論だといっていられなくなってきのです。

確かに超ひも理論がそのまま現れるエネルギーを
直接加速器で観測するのは、無理だと思います。
しかし ILCでも、それにつながる道筋を
見つけることができる可能性があると思っています。
ILCのエネルギーは、
現在の最高エネルギーの加速器の数倍でしかありません。
それを数千億円もかけて作ろうとしているのです。
もし、今の数倍のエネルギーのことだけしか
わかる可能性がないとしたら、
納税者に説明はできないでしょうね。
でも、ILCでエネルギーを数倍にすると、
超対称性から大統一理論というシナリオに対して、
とても重要な情報が得られると考えられています。
そのシナリオが間違っていた場合は、
はっきりそれがわかると思います。

理論と実験の話にもどりますが、
この二つを比較的はっきり区別するのは、
年配の研究者に多いとような気がします。
彼らの時代がそうだったからです。
私は物理を研究するのに
計算という方法を使うのが理論屋、
(計算もしますが)測定器をつくって
実験をするという方法を使うのが実験屋と考えています。
つまり手法が異なるだけです。

両方できればいいのですが
計算も実験も技術や労力が非常に大きいので
両方はできないのです。
ただ最近は、計算機の発展で、
一昔前はとても大変だった計算が
我々にできるようになりましたし、
シミュレーションのソフトととても進んで、
実験の専門家でなくても、
実験のシミュレーションをしようと思えば
ある程度はできるようになりました。
そのようなこともあり、
理論と実験の垣根はかなり低くなってきたと思います。
このような進展はここ10、20年で顕著になってきたので、
まだまだ両方を区別する人が多いのは事実でしょうね。

──余談ですが、
某研究所がつくった大学生向けのビデオがあるのですが、
その中で研究者の紹介をするテロップが
xxxx大学教授(理論)、yyy大学教授(実験)というような
書き方をしていました。
私はそのビデオを学生にみせた後、
(理論)とか(実験)というようなことを
肩書きにつけるようなセンスは
全く前時代的悪癖であると言っています。

長くなりましたがもう一点 ILCのことを書いた適当な、
入門書ですが、「ない!」ということに気がつきました。
素粒子物理を専攻する大学院生向けのものはあるのですが。

最近、KEKの退職された方がその記念(?)に書きました。
もう一つ英語のものは10人ほどの共著でそれぞれの得意な分野を
1章ずつ担当したものが、つい最近でました。
私も1章担当しました。
でも、ILCのことをきちんとかいた
ブルーバックスのような本はありません。

これは問題ですね。
すぐにでも関係者で議論することだと思いました。
これを(いまさらながらですが)思いついただけでも、
このやりとりをしているかいがありました。
もう少し、探してみようと思いますが。

高橋徹より

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2006年11月19日

初心者が ILCを理解するのに役立ちそうな本をご紹介ください。

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高橋先生

あのー、実験物理学者と理論物理学者は、
犬猿の仲であると聞いたことがあります(苦笑)。
そうなんでしょうか。

なんてことは、さておき。
初心者が ILCを理解するのに役立ちそうな本ってありますか。
あったら、お教えください。
2002年6月号のNewtonは、
出版社での保存期間が切れていて
入手するのが難しい状況みたいです。
新聞の記事ですと小さそうですし、私が持っている本には、I
LCのことがほとんど載っていませんので。
やはり去年の「子供の科学10月号」を
お取り寄せでしょうか(うーん、ぴったりかも)。

日本語がいいです。いえ、日本語にしてください。
図はキレイで多いほうが好きですが、
数式は少ないほうがうれしいです(笑)。
よろしくお願いいたします。

天満ふさこより
 

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2006年11月17日

Re: PET(Positron Emission Tomography) 資料の件

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天満さま

PETで心筋の検査という話は聞いていませんでした。
ガン検診が一般的ですね。ちょっと調べてみます。

ところで、加速器の応用としては、
医療目的の応用がとても大きな位置をしめます。
ガン治療や、血管造影のためのX線生成にも、
加速器を使う方法が開発されています。
ただ加速器はどうしても大きくなるので、
小型加速器の開発というのが大きなテーマです。
ILCは大型加速器ですが、そこで培われた技術は
小型加速器の開発の役にたつと考えています。

天満さんの話にもでた陽子線によるガン治療ですが、
最近は陽子はもとより、もっと重たい元素(炭素など)による
重イオン加速器が注目を集めています。
千葉にある放射線医学研究所の
HIMAC(ハイマック)という加速器が有名です。
これは人体の回りの組織にあまり影響をせず、
ガン細胞だけを集中的にやっつけることができるので、
ガンの治療方法として非常に注目を集めています。
やはり問題は加速器が大型になることです。
でも最近は、日本の何カ所かで、
建設の話がでています。

最先端加速器開発というのは、
ILCのような素粒子実験用加速器と非常に近い関係にあります。
技術的な側面はもちろん、
この様な高度な加速器を普及させるには、
人材の育成がとても重要です。
私は高エネルギー物理学の社会への貢献として、
加速器や放射線の技術をもった人材育成が
今後ますます重要になると考えています。

高橋徹より

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2006年11月15日

PET(Positron Emission Tomogra phy) 資料の件

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高橋先生

こんにちは。
PET(Positron Emission Tomography)の件を
いろいろ調べていました。
放射線の専門家に資料をいただきました。

私は、病院嫌いなので、注射も薬も手術もみんな嫌。
エックス線とCTは知っています。
MRI(磁気共鳴影像法)は、脳ドックの時に受けました。
PETは、勧められたことがあります。

陽子線治療は、加速器を使って
陽子を高エネルギーまで加速するそうですが、
これってILCも同じことをしますよね。
ということは ILCは、
医療の発展にも寄与するのではありませんか。
原子炉で発生した中性子線を用いる
ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)というのもあるそうですね。

ガンになりたくはありませんが、
なってしまったらできるだけ痛みが少なくて、
体への負担が少ないものがいいです。
それこそ、クオリティー・オブ・ライフを上げたい。

エックス線、ガンマ線、陽子も中性子も
目で見ることはできませんが
いろいろな仕事をしているのですね。
立派な仕事師ですよ(笑)。

時代は、化学反応から核反応の時代に
移り変わっていっているように感じています。

天満ふさこより

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2006年11月14日

Re: Re: Re: INNERVISION 送りました。

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天満さま

遅くなってしまい、ごめんなさい。
トパーズ全体も八角形ですが、そうなった理由は
タイム・プロジェクション・チャンバー(略してTPC)の
形であったと思います。

当時トパーズのTPCは、新しいタイプの測定器でした。
第一世代は SLACの PEP4-TPCという測定器で使われました。
トパーズの TPCは第2世代でした。
新しいと言うこともあり、特に初期のころはいろいろ苦労がありました。
詳細はあと何十年かたたないと言えません…!?!?

高橋徹より
 

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2006年11月03日

Re: Re: INNERVISION 送りました。

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高橋先生

「大穂」というのは、KEKの住所なのですか!
何かのキーワードかと思いましたが、
思い当たらないので気になりました。
Venusはラテン語で、Belleはフランス語。Amyは、何かの略ですか?
まさか彼女の名前とか(笑)? 
実験をなさる方の、言葉のイメージの豊かさには、驚かされます。

TRISTANの記事は、総力結集!といった
大々的なものでしたので、印象が深かったです。
この Ringが、当時の私には「ウロボロスの蛇」のように見えました。
「トップクォーク」は、あのフェルミ研究所で発見されたのですね。
TRISTANは、トップクォークとヒッグス粒子の発見が
期待されていたように記憶しています。
兆候があれば、騒ぐのは当然のことでしょう。
私も、どちらかというと、騒ぐほうのグループに入りたいですね(笑)。
宇宙に畏怖の念を持ち、感嘆することは、
物理学者としてだけでなく人間としても
非常に大切なことだと、私は考えています。

Newtonは面白かったのですが、刹那的な記事で、
また数ヵ月後に、素粒子の記事が載るといった具合でしたから、
私の知識も断片的なものでした。
それに、ほとんど忘れかけています(苦笑)。
ですが、ワグネリアン(Wagnerian)のおかげで、
ワクワクしたものを思い出させていただきました。

そういえば、2006年はモーツァルトの生誕250年ですよね。
小柴先生の著書にモーツァルトがお好きだと書いてあったことを、
思い出しました。
トリスタンとイゾルデの CDを買おうかな、と思います。
そしたら、TRISTANの恋人の ISOLDE は、CERNにいるのですね。
なんだ。Ring と関係あるのかな… って、私考えすぎでした。

トリスタンを思い出したきっかけは、
Newtonの表紙の八角形の写真です。
風水で八角形は、「世界」をあらわす象徴と言われています。
全世界、森羅万象から幸せをもらえる形なのだそうです。
風水グッズで、八角形の鏡が販売されているくらい(笑)。
そういえば、法隆寺の夢殿も八角形でした。
聖徳太子は、あの中でどんな瞑想をしていらしたのでしょう。
TRISTANから、幸せをもらえましたか?
この八角形は、粒子検出器で
「タイム・プロジェクション・チェンバー」という
名前だと書いてありました。
これは、随分大きそうですから、大きな幸せが来そうです。
縁起が良いですね!

天満ふさこより

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2006年11月01日

Re: INNERVISION 送りました。

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天満さま

> TRISTANの記事を見ていて、
> これを命名した方は相当なワグネリアンではなかったか、と感じました。
> ワーグナーの代表作は、何と言っても
> 「ニーベルングの指輪(Der Ring des Nibelungen)」でしょう。
> TRISTANを真上から見ると、巨大なリングに見えます。
> 「ニーベルングの指輪」は、通称“Ring ”と呼ばれます。
> オペラでは4日間の通し、バレエでも4時間を超える超大作です。
> それで、加速器を見て、
> 「Ring… ワーグナー… トリスタン」なんてことを考えていました。

TRISTAN計画の立案から、建設の時期を考えると、
6番目のクォーク、トップクォークの発見というのが、
TRISTANの大きな目標であったと思います。
そのことから、加速器の名前は、
クォークという名前の由来を強く意識したものになったと思います。

ご存じの通り、TRISTANが発見を目指したトップクォークは、
その到達可能なエネルギーより、約6倍も重く、
フェルミ研究所の TEVATRONで1995年(だったかな)に発見されました。
しかし、私が実験に参加していたころは、そんなことは分かっておらず、
TRISTANでも発見の可能性があると真剣に考えていました。
そのため、実験中にその兆候らしきものがあると、そのたびに大騒ぎでした。
実験データの統計的な揺らぎなどでたまたまその兆候に見えたのですが、
それは今となっていえることです。
もちろん、やっている方もデータの誤差である可能性が高いことを
承知のうえで騒いでいるので、このようなことは決して公表はされません。
でも当時は真剣に騒いでいました。いまとなっては良い思い出です。
おもしろいことに、こんな兆候らしきものに対して、
どれだけ騒ぐかどうかは、実験グループの性格が大きくでます。
私たちのグループは比較的そんなことを言う方で、
他のグループに聞くと、「こんなに誤差が大きいのに、騒がなくてもいいよ」
みたいな反応だったりしました(笑)。

ところで、先日のメールで、TRISTANの実験室の名前が
大穂、筑波、日光、富士であったとありました。
KEKの航空写真をみるとリング中心からみて、、
筑波は筑波山、日光は日光、富士は富士山の方角にあります。
大穂は KEKの住所ですね。

ちなみに、測定器のとの対応は
大穂実験室AMY
筑波実験室TOPAZ
日光実験室SHIP
富士実験室VENUS
でした。
筑波実験室には現在 B Factoryの測定器 Belleが入っています。

ちょっと昔を思い出したので、長々と書きました。
それではまた。

高橋徹より

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